こんにちは、宮崎です。
カウンセリングの時によく、
「乾かしたてはいい感じなんだけど、すぐにうねりが出てきたり、凹みが出たり、ボリュームがなくなるの」
と相談されます。
それはきっと、乾かしきれてないことが大きな原因かもしれません。
ドライヤーを当ててると髪が温まって乾いたように錯覚します。
だいたい80〜90%ぐらいの乾き具合で終わっているのではないでしょうか。
髪は「濡れている時から、乾いた瞬間の形に固定される」という性質があるんです。
美容師として一番最初に習うのことなので、改めてお話しすることではないと盲点になってたかもしれません。
でも、皆さんのヘアケアにとって重要な理論になるかもしれません。
髪のセットを長持ちさせたり、いい感じにしたいなら、まず軽くでも良いので湿らせてから、完全に乾くまでしっかりドライヤーを当てることが大切です。
この時、手ぐしを根元から毛先まで通すように乾かすとツヤが出やすく、うねりも収まります。
逆に、ウェーブヘアを楽しみたい方は、ウェーブを壊さないように手で髪を揉み込むように乾かしてください。
ここからが大事なんですが、、、
乾いたかなって思っても、意外とまだ湿っていることが多いということです。
その段階で乾かすのをやめると、最初は形もツヤも綺麗に整っていても、次第に変なうねりが出てきたり、ペシャンと根元が潰れたりして好きなシルエットではなくなってしまいます。
これは、中途半端に乾いたことで、毛髪内の水分の残り方が不均一になり、乾いてシャキッとしたところと、フニャッとしたところが混ざって、髪1本の形状が乱れます。
少し湿った手で書類やコピー用紙を触ると、紙がよれてしまうのと同じことが髪に起きています。
その紙がよれた状態で、自然乾燥で完全に乾くとその形のまま固定されてしまい、その後、手やブラシを使ってもなかなか整ってくれません。
本当はツヤのある髪なのに、パサパサして見えたりしてもったい状況になります。
乾いたかなって思ったら、ドライヤーを冷風に切り替えてよく冷やしてみてください。
そうすると、まだ湿っているところだけ冷たくなります。
そして、もう一度ドライヤーの温風で乾かしてみてください。
ボリュームが欲しければ、根元を浮かせた状態で完全ドライさせたり、毛先にカールが欲しければ、毛先を丸めた状態で完全ドライさせると良いのです。
セットの最後にヘアアイロンを通すと完璧です。
ところで、、、
水分を完全に乾かしたら、「髪の水分がなくなってパサパサになってしまうんじゃないの?」って疑問に思った方はいませんか。
ドライヤーを使うと傷むからダメって言われていた時代もありましたよね。
これに関しては、、、
毛髪内の水分には2種類あって、「自由水」「結合水」の二つあります。
自由水というのは、空気中やシャワーの水のことで、一般的に外から与えられる「出入り自由な水」のことです。
自由水を多く含んだ髪の状態は、「潤った」ではなく、「湿った」という状態です。
結合水というのは、タンパク質と水分が電子的に結合された水分です。潤いのある髪や肌はこの結合水がたっぷりある状態です。
ドライヤーによって蒸発していく水分は自由水なので、本来潤っている髪がしっかりドライすることで余計に乾燥してしまうことはありません。
もし乾燥しまうのなら、それは結合水が足りないサインです。
30歳すぎるとほとんどの方は結合水が不足していきます。
安心して完全ドライするために、レプロナイザー(ドライヤー)やビューロン(アイロン)M3.6(補水剤)があるというわけです。
髪を乾かす作業はなかなか大変ですよね。
僕たちの仕事の中でも、髪のドライは体力を使う作業の一つです。
ですが、あなたの髪の本当の綺麗さを出すためには、完全ドライはとても大切なことなので、頑張ってみてください。
ベタベタに濡れた状態から乾かすのは流石にロスが大きいので、よくタオルドライしてからドライヤーを当ててくださいね。